『英語の読み方』(北村一真著)レビュー

英語学習者にとって「読む」というスキルは、リスニングやスピーキングと比べて後回しにされがちである。しかし、実際には正しく読めることが、英語の理解力を飛躍的に向上させる鍵となる。そんな「読む力」を鍛えるために最適な一冊が、北村一真氏の『英語の読み方』である。

本書の最大の魅力は、「単なる速読術」や「受験英語の長文読解」とは一線を画し、「英語を英語のまま理解する」ための本質的な方法を丁寧に解説している点にある。日本語に逐一訳すのではなく、英語をそのまま理解する力を養うことで、自然と読むスピードや正確さが向上する。

特に印象的なのは、著者が「英語を読む際の視点の違い」に焦点を当てていることである。日本語と英語の文の構造の違いを意識しながら、「どのように英文をとらえるべきか」「文の流れをどこに注目すべきか」を詳しく解説しており、目から鱗が落ちるような発見が多くある。例えば、「英語は後ろから情報を追加する言語」「主語と動詞をまず見つける」など、具体的な読み方のコツが紹介されており、読むたびに納得感が得られる。

また、単なる理論だけでなく、豊富な実例を用いて説明されているのも本書の魅力である。実際の英語のニュース記事や文学作品を題材に、どのように文を分解し、意味を取るべきかが具体的に示されているため、学んだ知識をすぐに実践できる点も優れている。

さらに、英語の読み方だけでなく、「読むために必要な語彙力の身につけ方」「文法の役割」など、総合的に英語力を高めるための視点が盛り込まれており、英語を学び直したい社会人から、受験生、英語を仕事で使う人まで、幅広い層に役立つ内容となっている。

「英語がなかなか読めるようにならない」「辞書を引いても意味がスムーズに入ってこない」と悩んでいる人にこそ、本書を手に取ってもらいたい。この一冊を通じて、「読む」という行為が単なる暗記ではなく、論理的に理解し、楽しめるものだと実感できるであろう。


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